Yii におけるファイルのアップロードは、通常、アップロードされる個々のファイルを UploadedFile
としてカプセル化する
yii\web\UploadedFile の助けを借りて実行されます。これを yii\widgets\ActiveForm および モデル
と組み合わせることで、安全なファイル・アップロード・メカニズムを簡単に実装することが出来ます。
プレーンなテキスト・インプットを扱うのと同じように、一つのファイルをアップロードするためには、モデル・クラスを作成して、 そのモデルの一つの属性を使ってアップロードされるファイルのインスタンスを保持します。 また、ファイルのアップロードを検証するために、検証規則も宣言しなければなりません。例えば、
namespace app\models;
use yii\base\Model;
use yii\web\UploadedFile;
class UploadForm extends Model
{
/**
* @var UploadedFile
*/
public $imageFile;
public function rules()
{
return [
[['imageFile'], 'file', 'skipOnEmpty' => false, 'extensions' => 'png, jpg'],
];
}
public function upload()
{
if ($this->validate()) {
$this->imageFile->saveAs('uploads/' . $this->imageFile->baseName . '.' . $this->imageFile->extension);
return true;
} else {
return false;
}
}
}
上記のコードにおいては、imageFile
属性がアップロードされたファイルのインスタンスを保持するのに使われます。
この属性が関連付けられている file
検証規則は、yii\validators\FileValidator を使って、png
または jpg
の拡張子を持つファイルがアップロードされることを保証しています。
upload()
メソッドは検証を実行して、アップロードされたファイルをサーバに保存します。
file
バリデータによって、ファイル拡張子、サイズ、MIME タイプなどをチェックすることが出来ます。
詳細については、コア・バリデータ のセクションを参照してください。
ヒント: 画像をアップロードしようとする場合は、
image
バリデータを代りに使うことを考慮しても構いません。image
バリデータは yii\validators\ImageValidator によって実装されており、属性が有効な画像、すなわち、 保存したり Imagine エクステンション を使って処理したりすることが可能な有効な画像を、受け取ったかどうかを検証します。
次に、ビューでファイル・インプットを作成します。
<?php
use yii\widgets\ActiveForm;
?>
<?php $form = ActiveForm::begin(['options' => ['enctype' => 'multipart/form-data']]) ?>
<?= $form->field($model, 'imageFile')->fileInput() ?>
<button>送信<?php ActiveForm::end() ?>
ファイルが正しくアップロードされるように、フォームに enctype
オプションを追加することを憶えておくのは重要なことです。
fileInput()
を呼ぶと <input type="file">
のタグがレンダリングされて、ユーザがアップロードするファイルを選ぶことが出来るようになります。
ヒント: バージョン 2.0.8 以降では、ファイル・インプットのフィールドが使われているときは、 fileInput がフォームに
enctype
オプションを自動的に追加します。
そして、コントローラ・アクションの中で、モデルとビューを繋ぎ合せるコードを書いて、ファイルのアップロードを実装します。
namespace app\controllers;
use Yii;
use yii\web\Controller;
use app\models\UploadForm;
use yii\web\UploadedFile;
class SiteController extends Controller
{
public function actionUpload()
{
$model = new UploadForm();
if (Yii::$app->request->isPost) {
$model->imageFile = UploadedFile::getInstance($model, 'imageFile');
if ($model->upload()) {
// ファイルのアップロードが成功
return;
}
}
return $this->render('upload', ['model' => $model]);
}
}
上記のコードでは、フォームが送信されると yii\web\UploadedFile::getInstance() メソッドが呼ばれて、
アップロードされたファイルが UploadedFile
のインスタンスとして表現されます。
そして、次に、モデルの検証によってアップロードされたファイルが有効なものであることを確かめ、サーバにファイルを保存します。
ここまでの項で示したコードに若干の修正を加えれば、複数のファイルを一度にアップロードすることも出来ます。
最初に、モデル・クラスを修正して、file
検証規則に maxFiles
オプションを追加して、アップロードを許可されるファイルの最大数を制限しなければなりません。
maxFiles
を 0
に設定することは、同時にアップロード出来るファイル数に制限がないことを意味します。
同時にアップロードすることを許されるファイルの数は、また、PHP のディレクティブ
max_file_uploads
(デフォルト値は 20) によっても制限されます。
upload()
メソッドも、アップロードされた複数のファイルを一つずつ保存するように修正しなければなりません。
namespace app\models;
use yii\base\Model;
use yii\web\UploadedFile;
class UploadForm extends Model
{
/**
* @var UploadedFile[]
*/
public $imageFiles;
public function rules()
{
return [
[['imageFiles'], 'file', 'skipOnEmpty' => false, 'extensions' => 'png, jpg', 'maxFiles' => 4],
];
}
public function upload()
{
if ($this->validate()) {
foreach ($this->imageFiles as $file) {
$file->saveAs('uploads/' . $file->baseName . '.' . $file->extension);
}
return true;
} else {
return false;
}
}
}
ビュー・ファイルでは、fileInput()
の呼び出しに multiple
オプションを追加して、ファイル・アップロードのフィールドが複数のファイルを受け取ることが出来るようにしなければなりません。
また、imageFiles
を imageFiles[]
に変更して、属性の値が配列として送信されるようにする必要があります。
<?php
use yii\widgets\ActiveForm;
?>
<?php $form = ActiveForm::begin(['options' => ['enctype' => 'multipart/form-data']]) ?>
<?= $form->field($model, 'imageFiles[]')->fileInput(['multiple' => true, 'accept' => 'image/*']) ?>
<button>送信<?php ActiveForm::end() ?>
そして、最後に、コントローラ・アクションの中では、UploadedFile::getInstance()
の代りに UploadedFile::getInstances()
を呼んで、
UploadedFile
インスタンスの配列を UploadForm::imageFiles
に代入しなければなりません。
namespace app\controllers;
use Yii;
use yii\web\Controller;
use app\models\UploadForm;
use yii\web\UploadedFile;
class SiteController extends Controller
{
public function actionUpload()
{
$model = new UploadForm();
if (Yii::$app->request->isPost) {
$model->imageFiles = UploadedFile::getInstances($model, 'imageFiles');
if ($model->upload()) {
// ファイルのアップロードが成功
return;
}
}
return $this->render('upload', ['model' => $model]);
}
}
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